FC2ブログ

屋代線 廃線へ

http://www.shinmai.co.jp/news/20110203/KT110202ATI090021000022.htm
まぁまずはこちらの記事を…


とうとう協議会の結論は「廃止」という方向に持っていかれました。

長野電鉄屋代線
ファン視点はひとまずおいて…若干厳しい話を


なぜ今回廃線という道へと進んだのか。
ほかの赤字路線(県内でいえばしなの鉄道・松本電鉄・上田電鉄)と違って廃止となったのか。

1.メインルートからの陥落
急行志賀サボ
昭和時代は屋代から河東線経由(河東線=屋代~須坂~信州中野~木島)で湯田中への直通列車が走るなど志賀高原へのメインルートであった。
国鉄からの直通急行の存在は大きく、屋代線の存在意義は「観光路線」として非常に大切な役割をになっていた。
また貨物扱いも行われ、県内の産業に大きく寄与した路線であった。
線名の河東線に見られるように千曲川の東側を発展させるのに非常に重要な役割を担っていたのである。

急行が特急あさまになってからも屋代に停車する列車はあったし、信越本線鈍行が2時間に1本とかいう時代。直通時代に比べてメインのルートは長野経由に移ったものの…利用意義は失われていなかった。
そして新幹線が開業すると…ルートは完全に長野へと移った。
屋代線の観光需要は大きく落ち込むこと、いや、ほぼ無いと言ってもいい。
せいぜい城下町松代に旅客を運ぶ仕事があるくらい。
その松代さえも長野駅から直通のバスが出ている状態。観光に関して屋代線の利便性はきわめて少ない。
そして上信越道長野ICは松代まで5分とかからず行ける距離…
言いたいことはわかるでしょう。

2.通勤通学需要の減少
長野電鉄屋代線002
鉄道利用の最大かつ不動の旅客は…まず会社員
通勤時間帯の須坂発時刻表を見てわかるように…
7:04
7:54
この次は9時台
これでは通勤に不便でどんどん自家用車通勤に流れることでしょう。

生産年齢層が乗らないとなれば…

続いてのお得意様である学生、それも高校生や大学生。
小中は結構近所に学校がある場合があるから歩きや自転車で大丈夫。
高校・大学はそうはいかないもんで…自分の選んだ進路先へは電車バスの利用が当たり前。
比較的沿線には高校が多い
須坂…須坂高校・須坂東高校
金井山…長野南高校
松代…松代高校
東屋代…屋代高校
屋代…屋代南高校
というわけこの高校の人間は少なくとも利用者はいる。
と簡単には言えない。
まず須坂と屋代を除外する。理由は後述する。
そして長野南は篠ノ井線からも行ける
追い打ちをかけるかのようにしなの鉄道は屋代高校前という駅を開業させた。
以上から学生利用も潤沢とはいえず、本当に屋代線にとって貴重なラッシュ時間帯のお客様であるのだろう。

3.ローカル需要
長野電鉄屋代線001
ではローカル需要はどうだろう。
日中見てみても…まぁせいぜい松代で大きな乗下車があるくらいだろう。
屋代~須坂をショートカットするように思われがちだが…
実は全然変わらない。いや、むしろ長野を経由した方が早いなんてしょっちゅうある。
新幹線開業前は信越ローカルが最大で3時間空きとかあった時代で、更埴市民が須坂や長野に行くには河東線を使う機会が多かったはずである。
しかしながら今では信越本線がしなの鉄道となり普通列車の本数が格段に増加している。
そして長野線の20~30に1本という地方都市日中にしては高頻度な運転を行っている。100円で乗れる特急も1時間に1本ある。
そうすると90分に1本ペースの屋代線を待つより長野を経由して1回乗り換えをしても屋代線より早く目的地に着けてしまうこともザラなのだ。
そのため線内から、もしくは線内へという需要がメインである。
早朝6:06の屋代発須坂行きなんか利用者を見たことがない…
沿線住民の7割が乗ったことない路線って…ツラいデータですよ。

4.他の私鉄との比較
115系長電屋代ホーム
では赤字に瀕しているほかの私鉄と屋代線は何が違ったのだろうか。
まず路線の地理
屋代~須坂を結ぶ経路の意義が薄れているのは前述のとおり。
他には周辺の観光地が多くの人に知られている場所ではない。等があげられる。
松本電鉄であれば終点は末端であるが起点は松本という県内ナンバー2の都市だ。さらに特急で長野・新宿まで直通できる。そして終点からは上高地へのアクセスが確保されている。
上田電鉄を見ると終点は有名温泉地別所温泉。信州の鎌倉呼ばれるほどの名所旧跡も沿線に点在している。起点の上田は県内有数の市街で尚且つ新幹線と接続している!これも大きい。

ただ、これを理由にするだけではなく
そして一番挙げたいのは沿線住民が存続に対して「受け身」であったこと。
数年前から存続問題に揺れている屋代線であったが、沿線住民のアクションも少なかった。
鉄道存続に向けて動いている自治体や周辺住民、またそれらによる期成同盟会など、松本・上田・しな鉄など、真っ向から鉄道存続に対して取り組んでいた。もう何年も続いている。
そしてさまざまな働きかけで鉄道を変えてきた。それがイベントの実施や永続的な列車増発である。
鉄道を輸送手段とするだけではなく付加価値をつけて定期利用はもちろん定期外利用にも結び付けるといった積極的な姿勢が見てとれたのだ。
屋代線ではそういった取り組みが少なく、沿線住民も「なるようになる」という姿勢だったことが協議会発表のデータからうかがえる。

長野電鉄屋代線003

そうした様々な要因が積み重なり…今回廃止という結論に結びついてしまった。
正直なところ「今までよく持ちこたえて維持してきたな」という気分なのである。
鉄道輸送の目的はすでに失われていた路線なのである。
見事にモータリゼーションに飲み込まれ…バイパスルートに取って代わられ…沿線の高齢化と社会の荒波を見事に被ってきた路線なのだ。
日本の戦後発展の流れ…によって消えゆくものの典型である。

いろいろと書いたが…私にとって屋代線は非常に身近な路線であり、廃線は残念と言わざるをえない…

しかし、この廃線で長野電鉄は屋代線にかかる莫大な赤字を吹っ飛ばす。
鉄道事業で足を引っ張ってきた屋代線の廃止は大きい。
この廃線を決して無駄にせず、長野線の一層の快適性・利便性の向上が図られることを願うばかりだ。



おそらく廃止日が決まれば鉄道ファンも押し寄せるだろうな…
その中のどれくらいの人が屋代線がどうして無くなったのか…経緯を少しでも考えるだろうか。
さみしい、さよなら…というただのお祭り騒ぎではいけない。
公共交通の廃止はまさに交通弱者の切り捨てと地域の歴史と文化の消滅である。

鉄路の消滅した地域の現在は…うん…


この話は決して地方都市の話だって思わないでほしい。
今の世の中は公共交通に対して非常に冷たい。
いつ何時…自分の近くを走るバスが無くなるかもしれない…

私の住んでいる横浜でも現実で起きていることなんですよ。

数年前の市バス改変…今も廃止統合が続いている現実。
自家用車に乗れないと家から出られないということがどんどん増えていく世の中です。

地元の交通をぜひ愛していきましょうよ。公共交通は地域の大切な財産です。
スポンサーサイト



テーマ : 長野県
ジャンル : 地域情報

コメント

非公開コメント

プロフィール

じゅげむ9007

Author:じゅげむ9007
「ななくりとうきゅう」へようこそ。

長野県出身、東急沿線、ハマ線沿線民。

上田電鉄別所線の撮影をライフワークとして、仕事の合間に現時点では月1以上の上田訪問を目指してちょいちょい通っています。

平成30年 別所線の将来を考える会 会員

別所線にのろう!
当ブログは上田電鉄別所線の存続運動を応援しております!
上田電鉄バナー

別所線にのろう!リンク

企業・行政・民間が一体となった別所線の存続活動が動いております。
地域の財産である公共交通をしっかりと守っていくことは非常に大切なことです。
様々な団体が支援策を打ち出し、上田電鉄さんも企業努力をしていらっしゃり盛り上がりも見せておりますが、廃線の危機から救われたわけではありません。
継続した支援策や取り組みを行っていくことで魅力ある別所線を存続させていきましょう。

存続のために…
1.通学、通勤定期を買ってもらおう。
2.自治会回数券を買ってもらおう。
3.別所線のイベントには必ず参加しよう。
4.一年に1回は別所線に乗ろう。

2011年10月27日の別所線の将来を考える会例会で決議された行動スローガン!。
当ブログ管理人のように地元の人間ではない場合、フラっと観光で乗ってみるだけでもいいのです。
小さな電車に揺られて景色を楽しみながら…
楽しいひと時を創りながら存続にも貢献できる…
一石二鳥です。

さぁ、みなさんも「別所線にのろう!」


別所線存続支援キャラクター「北条まどか」公式Twitterアカウント
別所線の「今」を感じてみませんか?


「上田市アイプロジェクト」公式Twitterアカウント
別所線の支援策を基に続いて上田市内バスの利用促進へとステップを進まれます。 今後の情報に注目です。
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
現在時刻


アクセスカウンター

カウンター設置:2011.2.4
ブログ開設:2008.8.22
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
当ブログについて
当ブログについての説明です。必ずご一読ください。
このたびは「ななくりとうきゅう」にお越しくださいましてありがとうございます。
名前の由来は古くは「七久里の湯」と呼ばれた別所温泉+地元の東急ということです。
上田電鉄を主体に東急線、長野電鉄線などを扱ったブログです。
また管理人じゅげむ9007は上田電鉄別所線の存続活動を応援しております。

当ブログの記載内容はほとんどが個人的に思ったことをつらつら綴っているだけですので、基本的に各鉄道会社等との関係はございません。
記載内容が最新の情報で無い場合もあります。特に撮影地に関する部分はご注意ください。
当ブログの内容を参考にした結果発生した不利益に関して、当ブログは責任を負いません。

掲載されている画像・文章についての著作権はすべて管理人にあります。
無断転載など著作権侵害に当たる行為はおやめください。
また、リンクはフリーですが、設定された際はコメントなどで結構です、お知らせしていただけると助かります。
リンク先はトップページ・各記事のページに限ります。画像への直リンクはおやめください。
その他基本的なマナーをご留意いただいた上でのコメントなど大歓迎でございます。


それではどうぞごゆっくりご覧ください。